軽井沢でフレンチのランチをどこにしようか、迷われている方は多いように思います。検索すれば店名は並びますが、どこがどう違うのかまでは分かりにくいものです。
この記事では、ランチの店を選ぶときに見ておきたい点を整理しました。あわせて、夏の信州の森や畑で何が出ているのかもお伝えします。
軽井沢のランチは「何を食べるか」より「どう過ごすか」
軽井沢町は、浅間山の南東側に開けた高原にあります。標高はおよそ900〜1,000メートル、町役場のある場所で海抜938メートルとされています(軽井沢町公式サイト「位置・地勢」)。
気象庁の平年値(1991〜2020年・軽井沢観測所)を見ると、8月の平均気温は20.8度、日中の最高気温の平均でも26.3度です。真夏でも、日が傾けば上着がほしくなる日があります。この涼しさが、軽井沢の一日の組み立て方を変えます。
つまり、昼の時間をどう使うかで旅の印象が決まります。散策のあいだに軽く済ませるのか、昼そのものを目的にして二時間ほど過ごすのか。ここを先に決めておくと、選ぶべき店はかなり絞られます。
フレンチのランチ、店選びで見ておきたい四つのこと
1. コースを選ぶ店か、おまかせの店か
フレンチのランチには、いくつかのコースから選ぶ店と、その日のおまかせコースだけを出す店があります。
選べる店は、苦手な食材を避けやすく、予算も読みやすいという良さがあります。一方でおまかせの店は、その日に手に入ったものから組み立てるため、献立が前もって決まっていません。何が出るか分からない代わりに、その日に良い状態で手に入ったものが皿にのります。
どちらが良い悪いではなく、性格の違いです。旅先で「ここでしか食べられないもの」を求めるなら、おまかせの店のほうが向いていると考えています。
2. 席数と、時間の流れ方
席数は、そのまま時間の流れ方に表れます。席が多い店は回転を考えた組み立てになりますし、席が少ない店はひと皿ずつの間合いがゆっくりになります。
記念日や、久しぶりに会う方との食事であれば、席の少ない小さな店のほうが落ち着いて話せることが多いようです。逆に、午後の予定が詰まっている日には向きません。予約の前に、所要時間の目安を確かめておくと安心です。
3. 食材がどこから来ているか
軽井沢のフレンチと一口に言っても、食材の出どころは店によって違います。都市部と同じ流通で仕入れる店もあれば、信州の生産者さんから直接受け取る店もあります。
せっかく高原まで来たのであれば、その土地のものが皿にのっている店を選ぶほうが、記憶に残ると思います。店のサイトやお品書きに、産地や生産者さんの名前が書かれているかどうかは、ひとつの手がかりになります。
4. 予約の取り方と、季節の混み具合
軽井沢は、夏とお盆、紅葉の時期に人が集まります。小さな店ほど席が埋まるのが早いので、日程が決まった時点で押さえておくほうが確実です。
あわせて、定休日と冬季の営業も確かめておきたいところです。高原の店は季節によって営業の形が変わることがあります。当店の営業時間や定休日はアクセス・営業時間のページにまとめています。
夏の軽井沢で、信州の食材はどう変わるか
八月の森は、春の山菜が終わり、夏のきのこが顔を出す時期にあたります。タマゴタケやアカヤマドリタケのように、夏の広葉樹林で見かけるものがあります。ただし、きのこはその年の雨と気温で出方がまるで変わります。当店のシェフも、同じ場所へ通いながら何も採れずに戻る日があります。
標高が違えば、季節の進み方も違います。軽井沢で終わったものが、少し高い山ではまだ盛りということが起こります。シェフが山を歩いて確かめているのは、この時間差です。
森の外にも、夏の信州はにぎやかです。川では鮎が育ち、畑では高原の野菜やトウモロコシが採れます。果樹の産地では、桃や葡萄が順に色づいていきます。品目や品種ごとに出盛りの時期が少しずつずれていくので、同じ献立が長く続くことはありません。
季節をいただくというのは、この移り変わりに合わせて動くということだと考えています。当店が使っている食材については信州の食材のページで紹介しています。
ランチとディナー、どちらを選ぶか
迷ったときは、その日の移動を基準にすると決めやすくなります。
軽井沢の店は駅から離れた場所にあることも多く、夜は道が暗くなります。車で移動される方や、遠方から日帰りで来られる方には、明るいうちに食事を終えられるランチが向いています。
一方で、宿泊されるのであればディナーという選び方もあります。夜のほうが品数の多い構成になる店が多く、時間もゆっくり取れます。高原の夜は静かなので、食事そのものに集中できる時間になります。
コースの内容と料金は店によって差が大きいところです。当店のランチとディナーの構成はおまかせコースと料金のページでご確認いただけます。
小さなフレンチレストランという選択
レストラン メリ・メロは、軽井沢町長倉にある小さなフレンチレストランです。テーブル4卓とカウンター4席で、ランチもディナーもおまかせコースのみをお出ししています。
オーナーシェフの篠原 啓治は長野県小諸市の生まれで、自分で森へ入り、山菜や天然きのこ、木の実を採ってきます。仕入れの電話だけでは分からないことを、歩いて確かめるためです。そこに、信州の生産者さんから届く野菜や果物、肉や魚が加わります。
フランス料理という形はとりますが、お出ししたいのは料理そのものよりも、信州という土地の時間だと考えています。ジャンルにとらわれず、その日いちばん良いものが最も輝く形を選んでいます。だから献立は毎回変わります。
メリ・メロだから、この組み合わせになる。
軽井沢でフレンチのランチをお探しでしたら、肩肘張らずに過ごせる一軒として、思い出していただけたらうれしく思います。