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KARUIZAWA / SHINSHU FRENCH
Column

軽井沢と信州の、読みもの

雨の日の軽井沢の過ごし方。霧の多い高原で、信州の一日をどう組み立てるか

雨の日の軽井沢の過ごし方。霧の多い高原で、信州の一日をどう組み立てるか

軽井沢へお越しになる日が雨の予報、ということがあります。高原の天気は変わりやすく、朝は晴れていても昼から降り出すことがあります。

ただ、雨の一日を残念なものにしてしまうのは、もったいないように思います。森がいちばん動くのは、雨のあとだからです。

軽井沢の雨と霧を、数字で見てみます

気象庁の軽井沢観測所には、1991年から2020年までを平均した平年値があります。それによると、この土地の年間降水量は1246.2ミリです。同じ期間の東京は1598.2ミリですから、雨の量そのものが特別に多いわけではありません。

この土地らしさが出るのは、霧のほうです。軽井沢で霧が観測される日数は、年間154.7日(2009〜2020年の平均)。一年の四割を超える日に霧が出ている計算になります。観測している地点は標高999.1メートルにあり、山あいの高原らしい数字だと思います。

月ごとに見ると、雨がいちばん多いのは九月です。降水量は193.5ミリ。日照時間は126.6時間で一年のうちもっとも短く、平均湿度89パーセントも、この月が最も高い数字です。

秋の軽井沢は、空の高い晴れた日ばかりではありません。九月から十月にかけてお越しになるなら、雨か霧に当たる日をはじめから予定に入れておくと、当日に慌てずにすみます。

雨の日の森で、何が起きているか

私たちにとって、雨は待つものです。山の土や落ち葉が乾いたままだと、天然きのこには出番が回ってきません。

今年の夏は雨が少なく、山へ通っても手ぶらで戻る日が続きました。八月の終わりごろから雨の日が増え、乾いていた山肌がしっとりと潤って、ようやく香茸に出会えたのが九月に入ってからのことです。雨が降り、土が潤い、そこへ気温と湿度が重なると、森は少しずつ賑やかになっていきます。

一方で、朝から一日じゅう雨で気温も上がらない日は、山をあきらめて仕込みに時間を使います。濡れながら歩いたところで、その日の森は動いていないからです。自然の歩幅に合わせるというのは、待つ日をつくることでもあります。

ですから、雨の日にお出しする一皿にも、その前に降った雨が入っています。山から持ち帰ったものと、信州の生産者さんから届いたものを、その日の状態を見ながら組み立てていきます。メリ・メロだから、この組み合わせになる。

雨と霧の日に、気をつけていただきたいこと

霧の日にいちばん気をつけたいのは、やはり車です。軽井沢は木立の中を通る道が多く、霧が出ると見通しが利かなくなります。速度を落として、時間に余裕をもってお出かけください。

気温も、平地の感覚とは違います。十月の平均気温は10.5度で、朝の最低気温は平年で6.3度です。十一月になると平均4.8度、日の最低気温の平均は氷点下になります。そこへ雨が加わると、体感はさらに下がります。羽織るものを一枚多く持ってきていただくと安心です。足もとも、濡れてよい靴のほうが歩きやすいと思います。

それから、霧の出ている日に山へご自身で入るのは、おすすめしません。私たちも霧の立ちこめる山で、夢中になって歩いているうちに方向が分からなくなりかけたことがあります。見慣れた山でも、霧が出ると遠くが利かなくなります。森は、道のあるところから眺めていただくのが安心です。

屋内で過ごすという選び方

軽井沢には、日帰りの温浴施設や美術館が多くあります。ゴルフやテニスのように屋外の予定を立てていた方には、残念な一日かもしれません。ただ、森を眺めながら湯に入る時間や、静かな館内で絵を見る時間は、晴れの日にはなかなか選ばないものです。開館時間や休館日は施設ごとに違い、季節によっても変わりますので、お出かけの前に各施設の案内でご確認ください。

雨の日は、同じことを考える方が増えるように思います。屋内で過ごせる場所は混みやすくなりますし、当日に食事の場所を探しはじめると選択肢も狭くなります。先に食事の時間だけ決めておくと、その前後をどう動くかを考えるだけで一日が組み上がります。

私たちがおすすめしたいのは、こうした日にこそ食事の時間を長めに取っていただくことです。次の場所へ急ぐ予定がなければ、コースの流れをゆっくり追いかけていただけます。雨の音がしている日ほど、店の中の時間は静かに流れます。

この土地の成り立ちと季節の移り変わりは軽井沢という土地のページでご覧いただけます。コースの中身と料金はおまかせコースと料金にまとめました。

雨の日の、静かな時間

私たちの店があるのは、軽井沢町長倉です。席はテーブルが十六とカウンターが四つ。お出しするのは、その日のおまかせコースだけという小さな店です。

献立が毎回変わるのは、山と畑の都合に合わせているからです。雨の多い年もあれば、ほとんど降らない夏もあります。そのぶん、同じ月に同じ皿が並ぶことはありません。天気に振り回されているようでいて、これが信州の四季を味わっていただく方法だと考えています。

苦手な食材とアレルギーは、ご予約の際にお伝えいただけますと助かります。おまかせのコースのため、当日の対応はいたしかねます。季節によって営業の形も変わりますので、アクセス・営業時間のページで最新のご案内をご覧ください。

雨と霧の日の軽井沢は、晴れた日より静かです。人の少ない森と湿った空気の匂いごと、その日の信州をお過ごしください。

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今日はどんな信州に出会えるだろう。

料理だけではなく、季節を味わう。
メリ・メロで過ごす時間が、信州の自然との新しい出会いになりますように。

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