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KARUIZAWA / SHINSHU FRENCH
Column

軽井沢と信州の、読みもの

メリ・メロとは。フランス語の意味と、軽井沢の信州フレンチが店名にした理由

メリ・メロとは。フランス語の意味と、軽井沢の信州フレンチが店名にした理由

メリ・メロという店名を、どう読むのか、どういう意味なのか。そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

フランス語の言葉ですが、日本語にすると少し説明が要ります。この記事では、辞書に載っている意味と言葉のなりたちをたどります。あわせて、軽井沢の小さなフレンチレストランがこの言葉を店名に選んだ理由もお伝えします。

メリ・メロは、フランス語で「ごちゃ混ぜ」

フランス語では méli-mélo と綴ります。当店は Meli-Melo と表記しています。品詞は男性名詞で、複数形は mélis-mélos です。

ラルース仏語辞典は「Mélange confus et désordonné」と説明しています。訳せば「入り混じって、整っていない混ざりぐあい」ということになります。同辞典は語の性格を「Familier(くだけた語)」とし、由来にも「variante de pêle-mêle」と添えています。

フランス国立テキスト・語彙資源センター(CNRTL)の辞書では「Mélange confus de choses ou de faits hétéroclites」とされています。「種類の違うものや出来事が入り混じった状態」という意味合いです。

近い言葉として、辞書は fouillis(散らかり)や fatras(雑然)を挙げています。散らかった机の上のような、雑然としたものの集まりを指す言葉です。ものだけでなく、まとまりのない話や騒がしさにも使われます。うやうやしい言葉ではなく、どちらかといえば肩の力が抜けた言い方です。

言葉のもとをたどると、pêle-mêle にゆきあたる

CNRTL の語源欄には、次のように記されています。

「1851 (Goncourt, Journal, p.43). Altération de pêle-mêle avec variation vocalique (cf. a. fr. mesle-mesle, 1176-81 Chrétien de Troyes, Chevalier lion…)」

méli-mélo という形で文献に現れるのは、1851年のゴンクール兄弟の『日記』が最初とされています。もとは pêle-mêle(ペル・メル=入り乱れて)という言葉の母音を変えた形だと説明されています。

その pêle-mêle の古いフランス語の形として、mesle-mesle が12世紀の文献に見えます。クレティアン・ド・トロワの『イヴァンまたは獅子の騎士』(1176〜81年)です。

mêler は「混ぜる」という動詞です。同じ音を少し変えて繰り返す言い方には、どこか軽やかな響きがあります。ここまでが、辞書の話です。

「ごちゃ混ぜ」を「取り合わせ」と読む

辞書の意味は「ごちゃ混ぜ」です。けれど日本語には、これに近い言葉がもうひとつあります。「取り合わせ」です。店名をこの言葉で受け取っている理由は、メリ・メロという考え方のページでお話ししています。

季節の器に何を盛るか、掛け軸に何を合わせるか。日本には昔から、取り合わせという考え方があります。素材どうしが打ち消し合わず、それぞれが引き立つ並びを探す。私たちが料理で考えていることも、これに近いように思います。

山で採ってきたきのこに、どの野菜を添えるか。信州の川魚に、どの香りを合わせるか。フランス料理の技法を使うこともあれば、使わないこともあります。技法は目的ではなく、その食材が最も輝く表現を選ぶための手段だと考えています。

メリ・メロだから、この組み合わせになる。

その日の取り合わせは、信州の森と畑が決める

取り合わせを決めているのは、実のところ私たちではありません。その日に手に入ったものです。

森へ入るのは、私たち自身です。春は山菜、夏から秋にかけては天然きのこや木の実。歩いてみないと、その年の出方は分かりません。雨が多ければよく出るとも限りませんし、同じ斜面でも南と北では時期がずれます。

森だけではありません。信州の生産者さんから届く野菜や果物、肉。そして川の魚や、その日に届く魚介。誰がどんな畑で育てたものかが分かっていると、皿の上での置きどころも決まってきます。

ですから、献立は毎回変わります。自然の歩幅に合わせていると、そうなります。季節をいただくというのは、こちらの都合で組み立てないということでもあります。信州の食材については信州の食材のページにまとめています。

だから、おまかせコースだけにしています

メリ・メロでは、ランチもディナーもおまかせコースのみをお出ししています。お品書きから選んでいただく形をとっていないのは、その日の取り合わせが、朝の時点でも決まりきっていないからです。

何が出てくるか分からないというのは、旅先では少し心細いかもしれません。けれど、その日いちばん良い状態のものが皿にのる、ということでもあります。苦手な食材やアレルギーは、ご予約のときにお知らせいただければ組み替えます。

コースの構成はおまかせコースと料金のページでご確認いただけます。

軽井沢の小さなフレンチレストランとして

レストラン メリ・メロは、長野県北佐久郡軽井沢町長倉にあります。2001年に開業し、2017年に現在の場所へ移りました。テーブル16席とカウンター4席の、小さな店です。

お出ししているのはフランス料理という形ですが、味わっていただきたいのは、信州という土地の時間だと考えています。ジャンルにとらわれず、肩肘張らずに過ごしていただける一軒でありたいと思っています。

軽井沢へお越しの際に、名前の由来ごと思い出していただけたら、うれしく思います。

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今日はどんな信州に出会えるだろう。

料理だけではなく、季節を味わう。
メリ・メロで過ごす時間が、信州の自然との新しい出会いになりますように。

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