



こんにちは。
10月も気がつけばあと一週間ほどとなりました。
季節も晩秋へと加速している感じの軽井沢です。
今年は7月が暑さのピークで8月と9月は雨が多く気温はここ数年に比べると涼しくて、久しぶりの軽井沢らしさが感じられましたが、秋の紅葉シーズンの葉の色づき具合を懸念する声もチラホラ聞こえていました。
実際はと言うと、まぁそれなりに葉が色付いて来ていて、いつもの景色となりつつあります。
場所や環境によって若干の差はありますが、来週から再来週あたりがピークとなりそうですので、軽井沢のメリハリの効いた紅葉を期待されている方はご参考までに。
さてさてキノコ採りも終盤を迎えていますが、前回もう少し育つのを期待して山に残してきたクリタケ。
そろそろかなと思いつつ、いつもの山へ向かいました。
山の景色は、週を重ねるごとに秋が深まっています。
足元には湿った落ち葉が重なり、踏みしめるたびに、かすかな音を立てて沈みます。
冷たく澄んだ空気が頬に触れ、木々の間から差し込む光も少しずつ淡くなっていました。
いつの間にか秋の虫たちの声も聞こえなくなり、山の中には静けさが漂っています。
聞こえるのは、落ち葉を踏む自分の足音と遠くで揺れる木の葉の音。
立ち止まると、その静けさがいっそう深く感じられます。
そんな中、遠くから聞こえてきたのは鹿の鳴き声。
森の奥から響く声に耳を澄ませながら、冷たい空気をゆっくり吸い込み、静かな山を歩いていきます。
さて、肝心のクリタケはというと……
期待どおり、立派に育っていました。
湿った木の香りが残る倒木のそばで、茶色の傘がいくつも重なり合っています。
そっと触れると、ひんやりとした感触が指先に伝わり、山の中で静かに育ってきた時間を感じさせてくれました。
もう少し待っていたら、採るタイミングを逃していたかもしれません。
キノコの成長は本当に早いものです。
何ヶ所かを回り、今回はそこそこの収穫に恵まれました。
この先の出番を待つシモフリシメジやムラサキシメジは、もう少し時間がかかりそう。
山の中では、それぞれのキノコがそれぞれのペースで秋を迎えています。
軽井沢に戻ってからは、収穫したクリタケの下処理。
土や落ち葉を落とし、ひとつひとつ状態を確かめながら手を動かしていると、キッチンいっぱいにクリタケの香りが広がっていきます。
森の湿り気を思わせる深い香りに、ほのかな甘さと土の匂いが重なる山の香りに思わずうっとりします。
この香りを、どんな食材と合わせ、どんな温度で火を入れるのか。
山で静かに育ったクリタケが、厨房でどんな表情を見せてくれるのかを思い浮かべながら、ひとつひとつの仕立てを考えていきます。
森で感じた空気や、採れたての香りまで閉じ込めるように。
やがて一皿になったクリタケが、皆さまの前に運ばれる頃には、山で過ごした時間も一緒に味わっていただけるはずです。
この秋だけの香りを、どんな料理でお届けするか。
いつも本当にありがとうございます。